ドライバーユニット
MAGICOは新しいツィーターMBe-1を完成させました。 最新のブレイクアップモード制御されたベリリウム振動板、チタニウムより2.5倍軽量で7
倍の強度を持つ適正にダンプされたベリリウムはツイーターの為の理想的なドーム素材です。ツィーターハウジングはアルミニウムフェイスプレートと一体になってリンギングのないスムースなミッドレンジとのつながりを得ています。ベースはMAGICOデザインのNano-Tec® 7インチドライバーで構成されます。このNano-Tec® ドライバーはすべてMAGICOで設計、製造され、コーン構造にカーボン・ナノチューブを世界で最初に採用、三層振動板はRohacell® フォームをコアとし、ナノテクカーボン繊維でサンドイッチしています。
高効率な熱伝導を持つナノテクコーンのカーボン外皮は伸長力と弾性率双方に優れ、ハイカーボンスチールの伸長力1.2GPaに比べ驚異的な伸長力/ 繊維引張強さ63GPa(Fiber tensile strength) を持っています。この高強度のコーン素材はヘリコプターのローターブレードに採用されているフォームコンポジット素材と同等で、従来のチタンサンドイッチコーンの300%の硬度で、従来の金属ダイヤフラムとは比較にならないスピード強度を持ちます。その結果、外力に対する強度、セルフダンピング、リンギングの減衰、などスピーカーコーン紙に求められるすべての点で従来のコーン紙とは比較にならない高水準値を示します。
クロスオーバー
MAGICOでは電子制御同様のステップスロープを実現したフィルター回路の"Elliptical Symmetry Crossover" (ESXO) を開発しました。
ESXOによる3ウェイはまるで1本のフルレンジのようなサウンドイメージを実現し、ほかに類がありません。
Q1のクロスオーバーパーツ/ ネットワーク素材は現在最高の品質を誇る製品を採用しています。
典型的なパッシブ抵抗/ レジスターでは相当の熱を抵抗そのものから発散します。
そして抵抗の周囲でいろいろな電子パーツ、エレメントの温度を上昇させます。それはいろいろな信号レベル全体に抵抗値の変化として大きな影響を与えます。
この望まれない影響を払拭する為に、Qシリーズでは軍用や航空宇宙用に開発された厳しい高信頼性、高安定度を満たすバルクメタルフォイル抵抗/Bulk Metal Foil resistor を世界でも初めてクロスオーバーネットワークの為に特別に設計、採用しました。この抵抗の低温係数(TCR) は± 2ppm/℃、超高精度で一般のどの抵抗よりも優れ、50倍以上の長期負荷安定度を示します、結果、どのような周波数、電圧でも安定した抵抗値を保ち正確なクロスオーバー特性をキープします。
オールメタルエンクロージャー&専用スタンド
MAGICOはスピーカーデザインで最先端の#6061系アルミニウム合金をいち早く採用したメーカーです。1994年に最初のアルミニウム合金エンクロージャーを開発しました。
堅く、ダンプし易く、適切にデザインされれば不活性で最高の明解さと力学をもってドライバー・オペレーションから色づけを排除できる理想的なエンクロージャー素材なのです。
QシリーズエンクロージャーはMAGICOの新しいファクトリーで製造されています。アルミニウムと真鍮を素材に機械化された切削加工によって造られています。
楽器ボディのレゾナンス/ 共振はその性質と品質を定義することにおいて不可欠な要素です。それに正反対なのがスピーカーに求められる要素です。
3つの要素、スチフネス、マス、ダンプネスを従来のコストという壁を打ち破って達成しています。
エンクロージャーのフロントのみならずすべての面とエッジは研磨されて、美しいアノダイズ加工が施されています。
MAGICOはMiniモデルもそうでしたが、スピーカースタンドの重要性を最も認識して専用スタンドを提供してきました。回析の影響、デザイン性、強靭な支えとして、空間にエンクロージャーが浮かぶような形状、これらの条件を満たすべく、本体と同素材の#6061アルミニウムで切削加工されたQ1
のスタンドはスリムで美しく、類を見ない仕上げとなっています。
この超重量級システムを支えるためスタンド下部には、高耐腐食性に優れステンレスの中でも最高硬度のSUS 440C を素材とした、高さ調整可能なスパイクが装備されます。
エンクロージャーインサイド
航空機の内部構造にも似たこのエンクロージャー内部のフレームは多くの高精度に切削加工されたパーツからなります。そのすべては一定のシーケンスとして整然と配列固定されています。一つの側面には数多くのスクリューホールがあります。
バッフルのフィットを含めキャビネット全体で何十本もの止め具があります。0.002インチを超える差異は寛容なスタックとしてエンクロージャーが再分解されること無く組上げ完了するのに十分に貢献します。
この緻密な作業で一本を組上げるのに約一週間が費やされます。
周波数特性とその逸材性
この強靭な素材の密閉箱はバスレフディップなく完全なフラットレスポンスを示します。強靭な硬質アルミニウムのキャビネットと、Nano-Tec® コーンによるダイレクトラジエターを配したQシリーズは大型のコンプレッションドライバーにも似て、ボイスコイルに入力された信号を余すこと無く正確に伝達するでしょう。
ピアニッシモからフォルテッシモまで全帯域を偏った減衰を伴わず聴取者に運ぶのがスピーカーの理想です。ボリュームを絞っても帯域バランスが崩れず、ダイナミズムに優れたサウンドが実現、本当の意味でのカラーレーションレスを達成しました。今までMAGICO
は従来のスピーカーにおけるいくつかの妥協点を洗い直し、理想に向かって多くの技術革新を試みてきました。そして多くの制約や妥協はQシリーズで克服のキーストーンを示すことができたと考えています。
デザイナーAlon Wolf は生産実現可能性から市場実現可能性まで、どこのメーカーやユーザーにも妥協を強要はしませんが、自身四半世紀のスピーカー設計キャリアにおいて、このQシリーズは一つの頂を極めた造形物として自負しています。
最後にテクノロジーが音楽のサービスにおいて貢献できる方法を研究し続けることはMAGICOだけでなく双方にとって幸福をもたらします。
その技術、製品が適切に使用される時、その結果、ここではQ1ですが、音楽をこんなにリアルに楽しめる時間を与えてくれたことは開発したMAGICOをさえ驚愕させました。