JPA66 Mk2 生産完了
■JPA66 Mk3 : 2021年販売 6,050,000円(税込)本製品は少量生産の為、完全予約販売となっております。
1940年以来、EMTはプロフェッショナルユーザーの為、優れたブロードキャスト/レコーディングスタジオ用のオーディオ製品を提供してきました。2006年、EMTは創立66周年を迎え、その記念としてハイエンドオーディオファイルの為のフォノレコード用プリアンプ『JPA66』を発表しましました。2009年、『JPA66』は、3年に渡る開発期間を経てフォノレコード用プリアンプの完成形として発売されました。EMTの経験豊かなアナログエンジニアリング技術の粋を集め、サウンドエンジニア、多くの音楽愛好者、音楽スペシャリストならびに膨大なレコードライブラリー管理グループからのフィードバックを加え、実際の使用状況において、丹念にチューニングが最適化されました。
2017年、『JPA66』は、マイナーチェンジを施され『JPA66 Mk2』として新たな一歩を踏み出します。
新機能
- メイン出力(RCA とXLR)の同時使用が可能
- ポラリティー(極性)スイッチを追加
- RCA 出力のグラウンドスイッチ(Lift or Normal)を追加
特徴
『JPA66 Mk2』は、正確な音楽再生というEMTの伝統を受け継いで、すべてのEMTカートリッジをはじめとして多くのフォノカートリッジにフロントパネル上のファンクションから適合設定でき、最良のサウンドを引き出します。現代までの大きな音楽遺産であるフォノレコードすべて、SPレコードから1960年以前のLPレコードまでの様々なイコライザーカーブを正確にデコードするターンオーバー調整とハイカーブ調整機能はその素晴らしいコントロール結果にプロのサウンドエンジニアはもとより、多くのレコード愛好家は驚くことでしょう。
『JPA66 Mk2』はフォノレコードの制作から再生までを熟知したEMTが取り揃えた極上品質のコンポーネントで組上げられています。細心のエンジニアリング、様々なMCカートリッジに対応した2種類のステップアップトランスを搭載、選別保証された三極真空管ECC803Sで行われる全増幅段、EMT930や927スタジオターンテーブルのような優れた操作性、ユニークな人間工学に基づくデザインにより、貴重なレコードコレクションからアナログならではの美音を浮かび上がらせます。また、フォノレコードだけでなく三極真空管ECC99によるラインアンプはEMTならではの高品質出力トランスを備えCDソースもフォノ同様のグレードで再生、コントロールセンターと呼ぶに相応しいプリアンプとなっています。
『JPA66 Mk2』とRIAAカーブについて
高音域はレベルが低く記録振幅も狭くなり、レコード材質や塵埃の影響によるノイズが大きくなります、また一方低音域はレベルも高く記録振幅も大きくなります。従ってそのままカッテイングすると、一枚に記録される時間が短くなり、楽曲の連続性に支障がでます。そこで高音域を高いレベルで、かつ低音域を低いレベルでカッテイング、再生時に補正して周波数特性を平坦にするイコライジング技術が用いられました。これは当時の普及型ピックアップカートリッジの特性にマッチしてイコライザーなしで使用できる利点もありました。
このイコライジング特性はRIAA(Recording Industry Association of America) が1952年にRIAAカーブとして規格化を提唱するまで、各レコード会社それぞれが「より良い音質のため」また自社のピックアップ販売などの為に別々の設定がなされ、またカッティングシステムのメーカーなどによっても多種多様でした。しかし1952年からのレコードが全てカーブ準拠のステレオ録音になったわけではなく、1950年代後半まではRIAAカーブと様々な従来のカーブのレコードがオーバーラップした時代が続きました。これはRIAAカーブ対応の再生装置の普及と無関係ではありませんでした。またRIAAカーブとしての規格統一化はステレオ録音レコードの登場とほぼ同時期であったため、その後のステレオレコードの多くはRIAA規格に準拠しています。
EMTではSPレコードからステレオレコードまでの様々な100レーベル以上の調整ガイドラインを取扱説明書に記載しています。これにより、『JPA66 Mk2』ではTurnover 500Hz/hf-Curve 75μmの正確なRIAAカーブでの再生はもとより、SPレコードや、Mono LPレコードの各レーベルそれぞれのイコライジング特性に合わせたセッティングが可能になり、本来の再生周波数特性が得られます。SPレコードや、Mono LPレコードを適正なイコライジングで再生しますと、今までRIAAカーブでのみ再生していたサウンドとの違いに驚かれることでしょう。『JPA66 Mk2』では当時の最先端技術であったレコード音楽芸術を忠実にかつ当時の再生技術ではなし得なかった高音質で今それを享受することが可能になりました。
仕様
4 系統フォノ入力
(標準仕様) |
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Phono1:中〜高インピーダンス / MCカートリッジ用、全てのEMTスタンダードバージョンカートリッジ、その他に適合、入力ロード/レベル微調整可能
(感度/負荷抵抗:1mV, 200Ω –50%/+100% )
- Phono2:低インピーダンス/低出力MCカートリッジ用、オルトフォンその他、入力ロード/レベル調整可能(感度/負荷抵抗:0,250mV, 47Ω –50%/+100%)
- Phono3:MMカートリッジ用または外部MCステップアップトランス経由用、47kΩマッチング、入力ロード/レベル調整可能(感度/負荷抵抗:5mV,47kΩ –50%/+100%)
- Phono4:高出力(MONO)MC、MMカートリッジ用、入力ロード/キャパシタンス調整可能(感度/負荷抵抗/CAP負荷:5mV(fix)/47kΩ –50%/+100%/Normal+100/220/330pF)
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ラインレベル入力 |
2系統 各Balance(XLR) or Unbalance(RCA) |
可変イコライザー |
(1)Turnover調整(200Hz 〜 2kHz) (2)hf-Curve 調整(0μs 〜 75μs/RIAA) |
サブソニックフィルタ回路 |
-20dB/10Hz,-30dB/7Hz,-40dB/5Hz(ヒューマンヒアリングを分析して設定) |
スクラッチフィルター |
(50kHz 〜 3kHz) |
ゲイン |
MM 53dB; MC 73dB, Phono 1-3 adjustable +/- 10dB |
周波数特性 |
10 〜 40,000cps +/- 0.5dB |
全高周波歪率 |
0.05% @ 14 dBu output level |
最大出力 |
+27dBu/17.40V RMS(内部ゲイン切替:LINE レベル 0/-6/-12dB、PreAmp ゲイン+12/+18dB) |
電源/消費電力 |
100VAC, 50/60Hz, selectable –20%/+10%、85W |
外形寸法/重量 |
本体 W482 x H145 (200 foot 使用時) x D400mm、11kg
電源部/PSU 482 x 135 x 235mm、13.4kg |
使用真空管 |
ECC 803S type x 6, ECC 99 type x 2 |
価格 |
5,200,000 円(税別) |
後継機 |
JPA66 Mk3 : 2020年末販売予定、本製品は少量生産の為完全予約販売となっております。 |
製品画像