EMT HSD SC6は、フローティングシャーシ(サブシャーシ)を搭載したターンテーブルで最高のパフォーマンスを発揮できるよう、特別に設計されたステレオMC カートリッジです。
軽量な構造と高いコンプライアンスにより、トーンアームとシャーシ間の共振の影響を大幅に抑え、正確で安定したトラッキングを実現します。
HSD SC6は、軽量アルミニウムボディ、アルミニウムカンチレバー、SFL ダイヤモンド・スタイラスを特徴とし、レコードの溝を極めて正確にトレースします。
ニッケルメッキが施されたアルニコ(AlNiCo)マグネットと4N 銅コイルの組み合わせにより、1mV の高出力電圧を実現し、ほとんどのハイゲインMC フォノイコライザーと最適にマッチングします。
15μm/mNのコンプライアンスは、フローティング・ターンテーブルにマウントされたトーンアームとの最適なインターフェースとなるように調整されています。
また、推奨針圧2.0gは、安全なトラッキングとレコード盤への負担を考慮した理想的なバランスを保証します。
特徴
- ハイコンプライアンスと軽針圧
15μm/mNのコンプライアンスは、他のEMT カートリッジ(12μm/mN)より高く設定されています。また、推奨針圧も2.0gと、他のEMTカートリッジ(2.3g 〜2.5g)に比べて軽く設定されています。
これは、フローティングシャーシ(サブシャーシ)を持つターンテーブルでの使用を想定して設計されており、カートリッジの針先がより自由に、軽やかに動くよう最適化されています。
- 12.7mmピッチのEIA標準マウント仕様
剛性をそこなわず、ヘッドシェルとの強固な一体感を実現するため、ハウジングには取付けビス用のネジ穴が設けられています。取付けピッチは標準的なカートリッジと同様に12.7mmで、
ヘッドシェルの上部からビスで簡単かつ確実に固定できる構造となっています(ただし、ネジ穴径は2.5mmのため、日本規格の2.6mm径ビスは使用できません)。
接続端子は4ピンなので、ユニバーサル・トーンアームから固定ヘッドシェル・トーンアームまで、幅広いタイプで使用できます。
- アルミニウム製カンチレバー/SFLスタイラス
やや長めの硬質アルミニウム製カンチレバーは、しなやかさと高い解像度を兼ね備え、正確で安定したトレースによって、レコード盤に刻まれた音楽情報を余すところなく、極めて精緻にピックアップします。
スタイラスチップにはSFL(Super Fine Line)タイプが採用されています。
- 1mVの高出力発電系
EMT独自の高性能な発電系は、MC型の低い内部抵抗と、1mV(5cm/sec.1kHz)におよぶ高出力を矛盾なく両立させています。これこそが、アナログオーディオの真髄を存分にお楽しみいただける、EMTならではのサウンドを生み出しています。
パワフルなエネルギーとデリケー卜なニュアンス、そして澄みきったローレベルの再現性は、極めて変換ロスの少ない高効率な発電系によって実現されています。
- ハイグレードのアルミニウム・ハウジング
伝統のTSD15 系の発電システムを強固なアルミ製のハウジングに装着し、さらに軽量化も図られています。これにより、様々なトーンアームでEMTならではのサウンドをお楽しみいただけるよう設計されています。
(自重:HSD SC6=10g : HSD 006 =12g)。
- 伝統の高品質、実測データ付
従来のスタジオカートリッジと同等の厳しいプロフェッショナル基準に基づき、すべてのHSD SC6は、一つ一つ厳密に調整され、測定データと共に届けられます。
広帯域にわたる豊かなダイナミクス、輪郭が際立ち量感に優れた低域、自然で美しい倍音成分の中域、そして空間を漂うような空気感まで再現する伸びやかな高域。
これらの優れたサウンドクオリティは、EMT が長年培ってきた揺るぎない信頼感と安定性によって支えられています。
EMTが積み重ねてきた確かな実績と誇りは、オーディオと音楽を愛する皆様に、その再生能力を通じて心震える感動をお届けすることをお約束します。
EMTカートリッジの歴史は、まさにアナログレコードの歴史そのものです。HSD SC6は、録音意図に忠実で優れた再生能力を発揮し、アナログレコードサウンドの新たな境地を体感させてくれるはずです。